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平成29年度 東京都女性歯科医師の会  秋の学術講演会・懇親会

日時:平成29年11月5日(日)
場所:ホテルメトロポリタン池袋

お茶の水女子大学の名誉教授であり、チャイルドリサーチネットの所長としても活躍中の榊原 洋一先生に「こどもの発達障害 おとなの発達障害」というタイトルでご講演をいただきました。当日は「満員御礼」となるほど多くの方々に来ていただきました。
榊原先生は小児神経科学、脳科学のご研究や発達障害の臨床などを長年されてきて、ADHD(注意欠陥多動性障害)をはじめとする発達障害に関する著書も多く出されています。ご自身の研究成果や国内外の文献などを基にして、わかりやすく説明していただきました。
歯科治療における対応を考える際にも、まずはそれぞれの障害の特性を理解して、対応を工夫していくことが大切だと思われました。
榊原先生の「僕もある意味では発達障害」というセリフや、歯科受診でかなり苦労されている話では、会場の皆様の笑いも出た講演でした。講演後の懇親会では、榊原先生の著書の販売があり、発達障害に興味を持たれた参加者の皆様に多数ご購入いただきました。榊原先生の当会への感想を伺ったところ「さすが現場で活躍している女性の集まり!会場に来たとたん言い知れぬオーラを感じた」とのことでした。

(井上美津子)



<当日のアンケートに多くの質問をいただきました。一番多かった質問について榊原先生から回答をいただきました。>

Q:ADHDの薬は大人になっても飲むのですか?
A:ADHDは小児期には4%くらいいても、成人期になると1.6%くらいに減少します。ただADHDの行動特性の中で、多動は成長とともに改善することが多いのですが、不注意は残りやすいため、症状が顕著ならば事故防止や労災などを防ぐために薬を飲んでもらうことはあります。

講演会が終了し、恒例の集合写真撮影後、会場へ移動、前島美佳理事の司会進行のもと、桐原仁子副会長の開会の辞より懇親会が始まりました。竹内千惠会長の挨拶を皮切りに、来賓の東京都歯科医師会・湯澤伸好専務理事、東京都歯科医師連盟・大越壽和会長、東京都学校歯科医会・末高英世会長からご挨拶を、続いて東京都歯科衛生士会・富田基子会長から乾杯のご発声をいただきました。各大学同窓会からは、昭和大学歯学部・小原希生会長、神奈川歯科大学・大舘 満会長、日本大学松戸歯学部・古谷由美子副会長、日本歯科大学校友会・小倉陽子常務理事、明海大学歯学部・古川隆彦副会長(講演会のみ)にご出席いただきました。
今回は趣向を凝らし、本会学術委員会が企画した「ビュッフェの食材から学ぶ食育クイズ」と題して、臨床でも役立つクイズの主旨を高野博子理事が説明しました。しばらくご歓談いただき、司会進行を三宅ゆかり理事、伊藤智加理事に代わり、「食育クイズ」開始となりました。

「ビュフェの食材から学ぶ食育クイズ」 =学術委員会企画=

この企画の趣旨は、抜歯後・小手術後、抜歯直後の即時義歯、テック装着時などの、咬めない患者さんに「今日は固いものを食べないでくださいね」と漠然と言いますが、ちょっと待って!その時もう一言「こんな風にお料理すると、噛みやすく飲み込みやすいですよ~」「こんな食材が楽にカロリーがとれますよ~」など患者さんに寄り添って女性歯科医師ならではのアドバイスができるようになろう!です。
参加者の皆様は、各テーブルで回答を話題にお食事をとりながら懇親を深めました。来賓を含む5名の先生方にご協力いただき、前のテーブルで、実際に食べて挙手多数決で正解を決めていきました。テーブルごとに話し合って回答を作っていただき、正解の集計が1位から3位のテーブルには景品が渡されました。初めての試みではありましたが、問題に正解すると大歓声が上がるなどたいへん盛り上がりました。
今後懇親会に参加される会員の方に忙しい日常を離れて楽しんでいただけるような企画を一生懸命に考えて参ります。

美味しいデザートに最後まで盛り上がり、最後は中村文子副会長の閉会の辞をもってお開きとなりました。