HOME > 平成25年度講演会・懇親会レポート

平成25年度講演会・懇親会は盛況のうちに無事終了致しました。

第25年度 東京都女性歯科医師の会
講演会ならびに懇親会

日時:平成25年4月21日(日) 午前10時より
場所:六本木ヒルズクラブ
(記:藤岡万里・桐原仁子)

講演会について

演題 シンポジウム

『介護を歯科からサポートする~食の環境作りと口腔ケア~』

4月というのにあいにくの冷たい雨で明けた日曜日でしたが、講演会には多くの参加者が集まり、会場は熱気に包まれていました。

講師・演題名

  • ●千木良あき子先生(宮城県白石市開業)歯科医師
    • 【地域チームアプローチによる摂食支援~多職種連携における歯科の役割】

千木良あき子先生は大学院にて“摂食・嚥下”の研究で学位をとり、あれから二十数年、、、、本当にこの分野は目覚ましく発展して、医療・介護の現場からも注目されています。先生は故郷である宮城県白石市でご主人とともにデンタルクリニックを開業し、通常の歯科医療だけでなく摂食・嚥下指導も行い地域医療にも貢献しています。
ご講演のなかで、多職種との連携なくしては本当の地域貢献にはならない、笑顔や癒しが医療には必要という言葉に重みを感じました。友人としては、実母や義父の介護の話を聞きながら色々な思いを巡らせておりました。最後の「地域医療に貢献してください、と背中を押してくれた看護師さんの言葉がなければ今日の講演の機会はなかった。新たな出会いと勉強の機会に感謝」という結びの言葉に、女性歯科医師としての温かさと強さを感じました。

  • ●田中靖代先生は(ナーシングホーム気の里 施設長)看護師
    • 【介護・看護のための摂食・嚥下リハビリの実際~口から食べると元気になる~】

田中靖代先生は愛知県豊橋市民病院にて30年余り看護に携わり、多くの患者さんと接していて、「口から食べると元気になる」ことを実感していたそうです。病院の続きのケアを地域で充実させるために「ナーシングホーム気の里」を創設し施設長として暮らしに根付いた看護を実践していらっしゃいます。
講演では、退院して自宅で生活するなかで食を考えることを第一として、加齢に伴う変化、高齢者が誤嚥・肺炎を起こしやすいのは何故なのか、摂食・嚥下のメカニズムについての基本と観察・評価法、訓練の実際などについてスライドと動画を用いたわかりやすい説明がなされました。先生が考案した介助用リードスプーンの使用法、刻み食のメリットを生かした嚥下食の効果など、理解しながら実践できる内容も紹介して頂きました。
「生活行動は重複する」例えば話す・歌うことができれば食塊を舌で移送できる、花を活けられれば箸で食物を摘むことができる、体幹が安定すれば食塊は拡がらない、トイレに行ければ食行動の半分はできる、など、「何かひとつできれば他の何ができるか?」を暮らしの中でよく観察し考えること、それは私たち女性の得意なことではないでしょうか。
スライドの最後は「感性に富んだ観察と発想、あなたの出番です!」

  • ●南知香子先生(世田谷区立きたざわ苑)歯科衛生士
    • 【介護予防事業・口腔機能向上プログラムにおける歯科衛生士の役割】

まず介護保険入所施設等の分類、施設における口腔機能に対する対応として介護保険(口腔機能維持管理体制加算・口腔機能維持管理加算等)の説明がありました。また、生活機能の低下を予防するための介護予防事業のなかで通所型の「口腔機能向上プログラム」の実際が画像で紹介されました。
南先生の勤務する「きたざわ苑」は特別養護老人ホームと通所介護(デイサービス)があり、ロビーに飾られた季節の五月人形、パワーリハビリの器械等の設備とともに「歯科医務室」の存在も特徴的で、歯科医と患者さんが並んだ笑顔の写真も紹介されました。日々の口腔ケアは介護プランの中に組み入れ、介護スタッフに基本的知識や用語とともになぜそれが必要なのかの根拠を持たせて任せておくように、施設全体で口腔機能の充実を図ることへの支援がなされています。
スライドで紹介されたきたざわ苑スタッフと利用者の真剣で明るい笑顔の特集には会場の皆さんが一緒に笑顔になって講演会が終了しました。

講演会の様子

講演会の様子①

講演会の様子②

講演会の様子③

講演会の様子④

講演会の様子⑤

講演会の様子⑥

全員集合写真
全員集合写真

懇親会の様子

懇親会の様子① 懇親会の様子② 懇親会の様子③ 懇親会の様子④
懇親会の様子⑤ 懇親会の様子⑥ 懇親会の様子⑦