平成26年度 秋の学術講演会・懇親会のご案内
新しい視点で『咬合』を考えよう -矯正歯科医・助産師の立場からー
『態癖』―最近ではこの言葉を多く耳にすることと思います。日常の生活習慣の中で無意識に長期間行うことにより、顎顔面系、さらには全身において大きな影響を及ぼすような習癖のことです。私たちが毎日のように考え、悩んでいる『咬合』について、『態癖』も含め今までとは違った視点からお二人の講師からお話をうかがい、知識・考えをより深めていきましょう。
助産師の吉田敦子先生には、妊婦の姿勢が胎児の顎発育に大きく関わっていることについてのお話から、歯科医療関係者がお腹の中から始まるヒトの顎口腔の発育に関心を持っていくことの大切さを教えていただきます。
また、矯正専門医の田村元先生には、実際の指導法や治療法までのお話で歯列・咬合の変化を鋭い臨床視点からひも解いていただきます。
懇親会では、東京歯科大学ジャズ研 OB『バター・コーン』が素敵な演奏をプレゼントしてくださいます。美味しいワインを片手に音楽を聴きながら楽しい時をお過ごしください。
ご家族・ご友人・スタッフの皆様お誘い合わせの上、ご参加を心よりお待ちしております。
詳細
[日時]
平成 26 年 11 月 16 日(日) 受付開始 9:00 開会 9:50
講演時間 10:00 ~ 13:00 懇親会 13:30 ~ 15:30
[場所]
アークヒルズクラブ TEL:03-5562-8201
〒107-0052 港区赤坂 1 丁目 12-32
アーク森ビル イーストウィング 37F
※託児所あり(要事前予約)費用当会負担
[会費]
講演会 会員および家族 2,000 円
非会員 4,000 円
研修医・学生 無 料
懇親会 4,000 円
講演会
講演Ⅰ 10:00 ~ 11:20
顎の育ちは母体ケアから
NPO法人
母子フィジカルサポート研究会
代表理事 吉田 敦子 先生
東京大学医学部附属助産婦学校卒業
助産師、看護師。現在は、NPO 法人母子フィジカルサポート研究会のセミナー
講師のかたわら、東京都港区で、母と子の整体サロン mummy & baby 高輪を
主宰して、母子のケアにあたっている。
NPO 法人母子フィジカルサポート研究会代表理事、日本助産師会会員、
日本母性衛生学会、日本母乳哺育学会会員、日本思春期学会会員
著書『おなかにいるときからはじめるべびぃケア』合同出版 2012
共著『思春期 Q&A 』(社)日本家族計画協会 1996
講演Ⅱ 11:30 ~ 12:50
日本人の歯列咬合の変化と生活習慣
田村矯正歯科
院長 田村 元 先生
東京歯科大学卒業
日本矯正歯科学会認定医
著書『矯正歯科診療所のコンピューター活用術』東京臨床出版
著書『フルパッシブ矯正の理論と臨床、生理的咬合に調和した
安定度の高い咬合をめざして』デンタルダイヤモンド社
(株)デンツプライ三金 社にてクリアスナップシステムを開発
(株)トミー社にて T21 ブラケットシステムを開発
講演Ⅰ抄録 「顎の育ちは母体ケアから」
NPO法人 母子フィジカルサポート研究会代表理事 助産師 吉田敦子
胎児は、「子宮」という限られた空間の中で発育発達しています。
胎児の健やかな成長には、妊娠初期から中期にかけては、十分いろいろな動きが体験できる柔らかく丸く、大きな動きがしにくくなる妊娠後期には、左右対称で安定した屈曲姿勢がとれる環境であることが理想です。腹壁上からは左右対称に丸く柔らかく触れることができる子宮、その子宮を支える骨盤も左右対称で傾いたりねじれたりしていない、腹筋群も子宮を支えるだけの力を持ち、また、上腹部や肋骨弓は柔らかく子宮が広い空間で成長できる、ということが大切だと考えています。また、子宮やその周りの骨盤内臓器を支え、骨盤を内側から支える骨盤底筋群がしっかり働けることも大切です。
妊婦は、だんだん大きく重くなる胎児と子宮とともに生活していくために、からだの機能が適応していきます。その適応のひとつに姿勢の変化があります。妊婦の姿勢を見ることで、胎児の環境についてのアセスメントができます。姿勢は、からだの支持力の様子を表していますので、支持力が弱くなることで起きてくる、妊娠中のマイナートラブルを予防、改善することで、妊婦が生活しやすい楽なからだでいることができ、胎児の環境整備にもなるでしょう。
本講演では、胎児が子宮内で生活している様子や妊産婦の姿勢や腹部の変化、胎児が安定した屈筋群優位の姿勢でいられないとどんな影響があるのかについてお話しします。
講演Ⅱ抄録 「日本人の歯列咬合の変化と生活習慣」
田村矯正歯科 院長 田村 元
近年、いわゆる不正咬合の重篤化が指摘されることが多いが、私自身も日本人の咬合の急激な変化もしくは悪化に苦慮しながら日常臨床に従事している一開業医である
先天欠如歯の発生頻度が増加し、顎態の脆弱化が進み、舌突出癖、低位舌が増加している現在の状況は、ことによると日本が世界で最も深刻な不正咬合最先進国と言えるのではないか。国民皆保険が充実し、平均余命が長く、経済的にも先進国として繁栄を持続している国が不正咬合最先進国とは、不穏な発言と受け取られるかも知れないが、これは決して誇張ではない。不正咬合の深刻化に合わせて治療法が進化しているかと問われれば、進化はしているが、残念ながら不正咬合の深刻化の速度が治療法の発展の速度を凌駕していると思われる。
これまでの日本人は欧米の進んだ考え方、技術をうまく取り込み、日本向けにアレンジすることは得意であるが、残念ながら独創性に乏しいといわれる。しかしながら、我々が直面している現状の不正咬合は他の国が未経験な分野であると考えられ、問題解決の方策を独創的に探し出さなければならない。これを実現するには臨床家および研究者の総力を挙げて対応する必要があると思われる。
演者は浅学非才の身であるが、日本人の抱える不正咬合の問題に何とか一矢報いたいと切に願い、少しでも有効と思われる方法を試行錯誤の上実践してきたが、その一部をご紹介し今後の対応にお役に立てれば幸いである。
懇親会
Jazz Live 14:00 ~ 14:30
東京歯科大学ジャズ研OB 『バター・コーン』による演奏
Ba. 丹野 茂 先生(日本橋)
Dr. 木下 優 先生(品川)
Sax. 中村 始 先生(千葉県成田)
Pf. 冨山 雅史 先生(浅草)
Vo. 小枝 義典 先生(目黒)
お申込方法
◆FAXによる申込
以下のボタンより、申込用紙をダウンロードし、FAXにてお送りください。