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大韓女子歯科医師会との親善交流会

記:岡部浩子
Photo:日本歯科大学・中村侑子

去る平成25年6月13日18:00より、韓国ソウル市にあるロッテホテルソウル宴会場において大韓女子歯科医歯会、東京都女性歯科医師の会、日本小児歯科学会の親善交流会が開催され、日本から参加してまいりました。
この企画は、IAPD(国際小児歯科学会)がソウルで開催されるに際し、本会副会長 竹内千恵先生のご尽力で朴仁成先生と何回も連絡の上、実現いたしました。

当日は大韓女子歯科医歯会から17名、日本から17名の参加のもと行われました。

  • 大韓女子歯科医師会副会長Lee Jee-Na先生の開会宣言
  • Choi Young-Lim先生の歓迎の辞
  • 難波みち子本会会長及び、日本歯科学会副理事長で本会総務の髙野博子先生の答辞
  • 両国参加者の紹介、記念品贈呈、乾杯の後、食事会

当日の様子

食事後、歓談の途中で今回のIAPDで発表した、日本小児歯科学会・女性小児歯科医委員会作製のポスターを、
愛知学院大学・渥美信子先生、東京歯科大学・嶋田みゆき先生のお二人が発表して下さいました。

「A RESEACH ON LIFESTYLES OF FEMALE DENTISTS IN JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC DENTISTRY」

PART 1. THE PRESENT SITUATION OF JAPANESE FEMALE PEDIATRIC DENTISTS
(日本小児歯科学会に属する女性小児歯科医師への本音トークアンケート結果 -第1報 全国女性小児歯科医の現状-)
【愛知学院大学・渥美信子先生】

‐PART 2. FUTURE PROSPECTS OF JAPANESE FEMALE PEDIATRIC DENTISTS
(-第2報 全国女性小児歯科医のこれから-)
【東京歯科大学・嶋田みゆき先生】

-第1報 全国女性小児歯科医の現状-

一般的に、女性の労働力は年齢によって各国で異なる。
日本の女性労働力の割合を年齢別に示したグラフは、25歳から30歳、45歳から49歳の2つの年齢層にピークがありM字形のカーブで表される。
一方、アメリカやヨーロッパの国のグラフの形は日本のそれとは異なっていた。この違いの理由の一つには、結婚して、出産する日本の女性にとって、仕事の環境と施設がやや不十分な状態であるということが関係しているかもしれない。
わが国の女性歯科医師数は年々増加傾向にあり、現在、病院や歯科医院などの医療従事施設で働く歯科医師の約2割を占める。とくに、39歳以下の歯科医師の中で女性の占める割合が高くなっている。
日本小児歯科学会(JSPD)においては、全会員の45%が女性で、特に、20代および30代の会員では、その中の65%を女性が占めている。これらの女性歯科医師たちは近い将来に結婚や出産を考えているかもしれない。そして、彼女たちが結婚や出産した後に、家族の世話をするなど様々な問題で専門的な仕事を継続するかどうか悩んでいるのではないかと推測する。
JSPD(日本小児歯科学会)の中で女性会員の割合は増加傾向にあり、その傾向は今後も続くであろう。本調査の結果、女性会員の多くが歯科医師として生涯にわたり仕事を継続し、スキルアップを望んでいるが、それにはいくつかのサポートシステムが必要であることが示唆された。委員会では彼女たちの要望に沿ったサポートを提案していこうと思う。

-第2報 全国女性小児歯科医のこれから-

今後学会として専門医制度の検討(例えば取得・更新条件の緩和、育児介護中の更新期間の猶予、事務手続きの簡素化、取得・更新費用の減額、学会セミナー時の託児所設置など)、女性小児歯科医師バンクの設立、復職支援などが必要であると考えられる。
日本では多くの女性が、結婚・出産後も仕事を継続することを希望しているにも関わらず困難な状況がある。学会からのサポートのみでなく、日本の社会環境の整備、社会全体の意識改革が必要であると思われる。

そして、大韓女子歯科医師会からは事業の紹介が行われました。
国は異なっておりますが、女性歯科医師であることの喜びや悩みは同じことです。これらのことを心ゆくまでお話をし、会は21:00頃まで楽しく和やかな雰囲気のままHuh Youn-Hee先生の閉会宣言となり、親善交流会は滞りなく行われました。
2016年 第10回アジア小児歯科学会大会が東京で開催されます。この機会を利用し、両国の交流会を心待ちに再会を誓い合い、お別れしました。

朴先生は東京医科歯科大学大学院に留学し補綴学の学位を授与された方で大変きれいな日本語を話し同時通訳をして下さいました。また、特に答辞の時の髙野博子先生の韓国語挨拶は万雷の拍手でした。髙野先生は韓国人の方に今回のため習われたとのこと、このことで会場がひとつにまとまり、言葉がいかに大事かと感じました。